おはようございます。はごろもランジェリー店主の治代です😊

娘が接客のコンテストに勝ち上がり、次の発表に向けて毎日頑張っています。

過去には私も挑戦していました。懐かしいな~✨

緊張感って、たまには必要なことですね。新しい自分を知ることにも繋がります。ガンバって~🎶

昨日、お預かりした着物たち、今日早速選別してそれぞれの対処をしていきます。

いつだったか、訪問着か付け下げが欲しいと話していたのですが、お預かりした中にとっても素敵なものがありました。いくつかあるとありがたい袋帯や色無地も。

ぜひ着させて貰いたいと言うと、ご依頼者さまのお母様がきっと喜ぶからとのことで、着た時は写真を送ってくださいと仰られていました。主人に写真を綺麗に撮って貰う様に、お願いしました👍💗

近々2人目の孫のお宮参りがあるのですが、祖母や母の着物にこだわっていました(特に祖母は他界していますので、玄孫の晴れ姿に同席して貰いたいという気持ちも強く…)

こだわりを手放して見渡してみたら、挙手してくる着物達が沢山沢山ありました。

しかも、直前になって候補が倍増し、着て私が喜び、預けてくださった方にも喜んで貰えるだなんてどれだけ嬉しいことが重なるのでしょう🥰

私が呼び寄せているのか、着物たちが寄ってきてくれているのか

なんにせよこれは、しっかり着なくては。と、思いました。

※今回お預かりした着物たちは比較的状態が良く、対処もあまり必要なさそうです。ハサミを入れる気には到底なれそうもないのでご依頼のリメイクをどうしようかと…しばらく考えてみることにします。

 

この様に、お預かりするほとんどの着物たちは、とても大切にされていたことがわかります。

だけど

・保管場所の環境(特に湿気)

・お手入れの状態

着物をみると、置かれていた環境がわかります。

 

ちなみに、形見の着物はすぐにわかります。袖を通してないけれど、他のものと比べるとより大事にしまってあるから。そして、よくあるのがタトウ紙に名前が書いてあるんです。

家族も知らない名前だったりします。それはね、お祖母様のお母様だったり、姉妹や従姉妹やご友人のものだったりするから。生きた証、足跡や地図の様な尊いものです。

そして、大事にしまってあった分、他の着物よりもずっと、きつい樟脳の香りがしてくるのも特徴のひとつです。

※大きな布団袋の様なものに、消臭剤と一緒に入れてしばらく置いておくと、樟脳の香りが緩和されていきます。

 

「大事にしまってある」

それは、とても良いことの様に思えますが

着物にとってはかなりのリスクになりかねない現実があります。

湿気によるカビの発生と、防虫剤(樟脳)の香りが染み込んで取れなくなってしまうから。

 

 

着物の大変な所は、何よりも「お手入れ」だと思います。

簡単には洗えないから。そして、プロに頼むとお値段が張ってしまう。

そして、どれが一番必要なもので、お手入れがどのタイミングで必要かわからないから。→ご自身のものと言うより、ご家族のものを受け継いだ方が多いために余計にそういう流れになって来たのかもしれません。

だけどね、本当は、大掛かりなことではなく、自分で出来る単純なことこそが一番重要な「お手入れ」なのです。

 

今回、ご依頼いただいた件も、前回もそうだったのですがお祖母様や叔母様が大切にされていた着物を引取り業者さまに見積もっていただいたら悲しい結果だったからご相談くださったそうです。

それなら活かして貰える所へ預けたいと切実なお気持ちを伺いました。

 

お着物の状態は、どれだけの期間「そのまましまっていたか」で随分変わります。

着倒しているもの、ひどくシミがあるもの以外は、風を通してたたんでまたしまうだけでも良い状態が保てます。

新品のものも同じで、放っておくと劣化していきます。

放っておくと言ってしまいましたが…😅

「大事にしまっている」ことが着物をいためてしまう原因だから。

 

シンプルかつ重要なお手入れ。それは「風を通すこと」です。

 

だけど、みんな気になりつつも、日々の生活の中に着物が必須でないため

やらなきゃな~と思いながら季節は変わり、月日が経って行くものなのです。

 

祖母の着物、祖母が作ってくれた着物を母が、自分は着ていないけれど、娘には託したい。←これ、かなり多いです。

要らないと言われた母が困り果て、捨てるには忍びないから何かに変えたい(リメイク)いつかいつか、となり、結局しまったまま。

片付けの度に、季節の変わり目の度に、あぁ、着物もしなくちゃだけど今日は洋服で精一杯だ、また今度、となり。。。

私にご相談いただくタイミングは、それはそれは、かなりの意を決してのお気持ちなんだなと、思います。

ご説明が必要な方には、ひとつひとつがどんな時に着るのか、どういう風に使うのか、お伝えしながら仕分けしていきます。

この作業はある意味故人様を思い出すことに繋がり、供養のお手伝いだと思います。ご存命でお元気なうちに整理される方は、ご説明不要。私が勉強になるアドバイスをくださいます。

そう。どちらにしても、深い深いご縁を感じ、あったかい気持ちになりながら作業が進んで行きます。

状態が悪い時にも、リメイク出来るかどうか、色々考えてみます。

※本当は洗っちゃダメだけど…洗って寝押ししました。到底着れそうもない様なきついにおいがしていましたが、ようやく落ち着きました。

 

状態が悪い…

シミとか言うよりも(シミは意外と着ると気にならないことが多い)

・樟脳の香りが強い

・全体的にカビ臭い

このにおいとの闘いがほとんどです。

 

干すのはいいけれど、たたみ方がわからないから出すのが難しい、と、伺ったことがあります。

着物のたたみ方、どんなたたみ方でもいいと思います。ネットにも沢山出ていますから。私は最初の頃はたたんだ跡を頼りに元に戻す感じでしていました。今は宮島流です。(厳島神社がある宮島ではなく、お名前です)

今回お預かりした着物も特徴あるたたみ方で左右のお袖を揃えてたたまれていましたし

前回のお預かりでは、留袖の刺繍が折れない様に、コートの様なたたみ方をされていました。

たたみ方はきっと正解が何通りもあるだろうし、少々間違ってたって大丈夫。シワよりも、風を通さない方が後々大変です。

 

虫干しも本当は適した季節というものがありますが、私は思い立ったが吉日で良し✌️だと思うのです。

 

つい数十年前まで着物は嫁入り道具だったし、すごく価値の高いものとして扱われてきたものがありました。

庶民的な普段着としての着物もありますが

最近では儀式的な衣装としての意識が高いので、扱いに慎重になるのかもしれません。その気持ちはすごくすごくわかります。

あと、わからないのに無闇に触れない。それは意識の中にある「大事にする」という気持ち。所作というかしつけというか、、、教えのひとつとも捉えられます。

一方、お祖母様の世代では、価値の高いものを、孫の世代まで遺せるからと、代々受け継ぐ資産の様なつもりで大切にされてきた背景もあります。(だから、前述にある様な、母は着ていないのに娘に預けたい現象が起きます。母は祖母から直接聞いたから伝えたいんですね。だけど、娘は全く興味なしだったり…)

家族を想う気持ちは変わらず。どうしてあげて良いのかわからない。それが現実なのかもしれません。

突発的に、着物好きになって貰えたら、言うことはありません。が、少数でしょうね。

 

だけども

時代は変われど、そこにある着物たちは沢山の人の手から生まれたものに変わりはなく…

今の時代にはもう作れない様な貴重なものもあります。ニーズがないからといった理由だけで、二束三文だったり、処分するのはあまりにも悲しすぎます。

 

ただ干して眺めるだけでも

着物を見る自分と、持ち主だった方と、仕立てた人、織った人、育てた人、お蚕さん、そして、着物のそものが👘きっと、とっても喜びます✨

一日でも早く、風を通して貰える着物が、増えますように🕊

ダメになってしまう(お手入れに膨大な労力や金額がかかってしまう)お着物が減ります様に🙏

 

そして、袖を通してみたいなと、思ってくれる人がもっともっと増えます様に💕

日本の大切な伝統文化を一緒に継承していきましょう✨

 

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