ようやく寿光織りの反物の水通しが出来ました。

おはようございます。はごろもランジェリー店主の治代です😊

昨日は重陽の節句だったのですね。すっかり抜けて居たけれど、図らずとも身体のことをブログに書いていて、感覚のありがたさを感じました。

新暦だと本当は身体の感覚よりも少し早いんですよね、と、忘れていた言い訳をしてみたり(笑)でも、昨日栗のことも書いていました。重陽の節句は栗の節句・菊の節句とも言うそうです。

節句ではなく節供と書くとも聞きました。お供えに果物があるのは、昔は甘いものが貴重だったから。

古い習慣も、意味を知ることで、その深さと命の繋がりをより身近に感じることが出来ますね。

 

さてさて、今朝も早くから生地の水通しと裁断をしています。

水通しは、化学実験の様だなと思います。

私が好きで扱う生地の中でも特に、着物になるはずだったアンティークの反物はとってもデリケート。

変化があるかないか、しっかりと観察しています。

下着になれるかどうかの確認です。

 

着物は元々、一度着用したくらいでは洗いません。

 

・繊細だと言われる生地(例えば絹だったり)

・縮むかもしれない織り方

・色止めされていないので色移りの可能性大(ものによっては、表裏で色移りし合ってしまうことも…)

 

これらの理由と、元々洗濯機もなかったりあっても手動だったりした時代に着用してきたものだからなのだと思います。

 

その、着物になるはずだった生地を

私はランジェリーにしようとしています。

中にはそのままでも使いやすいものもあります。

 

けど、私は敢えて特徴のある、とても繊細で気高く、逸品と言える様な生地を使いたいのです。

素晴らしい作品を眠らせておきたくないです。

 

無謀とも言えるそのチャレンジは、生地選びからスタートして、水通しでその生地選びが成功していたかどうかがわかります。

それが、第1関門。縮んだり、思いのほかギュッと硬かったりしたら失敗。(下着以外のものになるだけだけど)

 

 

色落ち・色移りは、最初は避けていましたが、自然な染めになればなるほど、色落ちはあるものと捉え、今は採用しています。

濃い色は、白いものと一緒に洗わないでください。という感じなので、ここは特別感は無くて、普通のお洋服と同じですね。

 

お洗濯に関しては、手洗いを推奨しています。

湯洗いでほとんどの汚れは落ちます。お風呂ついでに洗って、タオルで挟んでトントン。陰干しです。

生活習慣で、湯船に浸かる。その日のショーツはお風呂で手洗いする。

これ、子どもにも見せておくと良いです。男の子も女の子もです。

おしもを大切に。自分の身体や物を大切に。ひいては自分だけでなく森羅万象を大切にする、軸となると思っています。

 

私は、はごろもランジェリーと、手づくりのある生活、着物のある生活、これらと共に、この習慣を広めたいと思っています。

便利なものも、悪くはないんだけど、敢えてこの方法をとることで、シンプルだけれど無駄がなく人も物も大切に出来る行動のひとつだと捉えています。

 

話が逸れましたが

今日は「寿光織り」の生地をようやく水通ししました。

購入してから半年くらい経っています。

眺めては、これは縮むかな、などと思いつつ。。。かなり貴重な生地なので失敗は避けたい。

時には仕上げてから洗うこともあるので、それを見極めるには、時間がかかります。

師匠がいる訳でもなく、やっていくことなので、尚更です。

このブログで「シルクの扱い方」がいつも閲覧数上位にきているのですが、私はこうやって独自にさわってしまっているので

 

和裁師さんにはもちろん「この生地を洗うの?」って驚かれるだろうし

悉皆屋さんも「無謀なことをしてる」と、思われることもあるだろうなぁと思います💦

ましてや呉服屋さんも、作った染めや手書き、織りの職人さんも腰を抜かしてしまうんではないでしょうか😅

だけど、今までその業界の方に話した際には誰もが後継者不足と、眠る生地や着物たちのことを想って、喜んでくださいました。

怒られるかと思っていた私は拍子抜けしました。

 

今、倉庫やタンスに眠ったまま、日の目を見ることなく、終えてしまう芸術作品が後を絶たないから。。。

本当に、、、もったいないことです。

 

私は、アンティークの新古品の反物からショーツやブラを作るだけでなく、着物からのリメイクで洋服を始め様々なものを作っています。

リメイク・リユース・リサイクル・アップサイクル、近頃は色んな表現があるけれど私はそんな大それたことじゃなくて

一生の間に、どれだけの生地達(ものたち)と出会って、活かすことが出来るかなと日々考えています。

活かしたい。

 

 

さて、まず活かす方向へと進めたいのは手元にある寿光織りの反物ですが、どうやらなんとか縮むこともなく、下着にすることが出来そうです。

地模様があって、シボもあるので、湿度と空気が程よく保てる良い生地です。

色も、和色で言うと赤紫。和色は世界の色の表現とはまた違ったイメージがあります。なんか、数が少ないの。世界の色だとピンク系に分類されると思います。

 

日本は、文字の文化も比較的ゆっくりで、文字が使われる前は全て人から人へと見たり聞いたり、感覚で伝わっていたそうです。

感覚。。。私たちは便利さを優先して忘れてしまっていることを思い出すことで、現代の豊かさをより深く感じられるのかもしれないですね。

 

さぁ、今日も作るぞ~( ´ ▽ ` )ノ ♡

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